マレーシアには子供がたくさんいる。
仕事をしながら子育てをしていく大変さは、
どこの国にも存在する。両立は楽ではない。
片方の親が在宅なら家で面倒を看ればいいが、
そうでなければ、保育園に預けて仕事へ行く。
または、実家の親元へ子どもを預けて働いている。
実はこの親元へ預けるというのが結構多い。
中華系では、そういう習慣が昔からある。
もともとは中国大陸で始まった、子どもを実家に預けて
両親共に稼ぐというスタイル。これは現代の中国でも
マレーシアの中華系にも存在する。
稼げる年代にガンガン稼いで実家に送金する
という考え方なのだ。
だが、親の親、つまり子どもの祖父母も
そのスタイルだと、祖父母も子育ての仕方を
よく知らないので、苦労はあると思うけど。
実家に子どもを預けない場合でも、保育園はたくさんある。
読み書きや知育を扱う、プレスクールと呼ばれる幼稚園もある。
これらはすべて民間。中華系が多いところ、マレー系が
多い所など、民族でも分かれているところもあるが、
学校ほどきっちりとは分かれておらず、皆混ざって過ごす
ところも多い。ただ宗教上の問題で食事は区別しなければ
いけないので、そこは配慮されている。
大きいコンドミニアムの場合、構内に保育園が設置されている
ところもある。だがそういったところは、
クオリティはあまり高くない。ただ預かるだけ、といった感じ。
コンドミニアムでも、下層階の店舗スペースにテナントとして
入っている保育園の方がずっと良い。
日本にもお金持ちの子ばかりが行く幼稚園があるように、
マレーシアにもある。保育園・幼稚園の送り迎えは車で行うのが
マレーシアでは一般的だが、お金持ち幼稚園の送迎風景は圧巻だ。
それはまさに高級外車の展覧会。夕方4時~5時に迎えに
来る人が多い。お金持ちは自分のビジネスを持っている人が多く、
時間の使い方がかなり自由なせいだろう。
中華系の人は自分の店や会社を持つことが目標と考える人が多く、
実際それらを持っている人が多い。そうなると、時間を自由に
使えるため、保育園や幼稚園に子どもを送り迎えすることは容易だ。
企業に勤める人ももちろん多いが、就業時間は拘束されてしまう。
大体夕方5時半に終わる企業が多いが、同時に帰宅ラッシュで
道路は車とバイクで埋まる。クアラルンプール中心部から帰る場合、
普段は車で15分程度のところが、ラッシュ時は1時間以上
かかることはザラ。となると、子どもの迎えの時間に間に合わない
恐れもある。
収入に余裕のある家庭はメイド(インドネシア人かフィリピン人)が
いて、メイドに迎えをさせている場合も。だがそうでない場合は、
保育園・幼稚園の場所や保育時間をよく吟味したうえで、
選択しなければならないだろう。