僕は国際結婚をしているが、それを日本の人に話すと、
決まって言われるのが次のようなこと。
「奥さんの国籍も日本になるんでしょ?」
「川越さんは日本人じゃなくなったの?」
自分ではこんなこと言われるなんて考えたこともなかったけど、
外国と接点のない人にとっては、その程度の認識だったのかと
改めて思い知らされた。
「国籍」と「滞在許可」(通称ビザ)はまったくの
別物であるということが知られていないということが。
僕は日本国籍で、妻はマレーシア国籍。
僕と妻は「夫婦別姓」だ。
日本人と外国人(外国籍の人)が結婚する場合、
みんな夫婦別姓になる。
同じ姓になるには日本国籍を取得、
つまり「帰化」して日本名をつけるしかない。
ただし、日本国籍を取得せずとも、
「通称名」という名前が便宜上使用可能だ。
妻が持っている日本の運転免許証には、
3つもの名前が書かれている。
1つ目はパスポートに書かれている英語表記の名前。
これが正式な名前で、住民票にも一番先に記載される。
2つ目は漢字(Chinese Character)での名前。
妻は中華系マレーシア人なので、中国人のような漢字の名前がある。
発音は基本的に1つ目と同じだが、広東読みと北京読みでは
発音が異なる。
3つ目は姓が僕の「川越」、名がカタカナで書かれたもの。
つまり「川越 ○○」のような形だ。
日常ではあまり使用せず、日本にいた頃では、
夫婦関係を明確に示したい時などに限定して使用していた。
外国人に対する日本での長期滞在許可に関して、
日本人と結婚して3年も日本に住んでいれば
大体の人は永住許可(永住「権」ではない)が得られる。
(但し中国人とフィリピン人の審査は厳しいとされる)
国籍は滅多なことでは替わらない。
国籍はその人のアイディンティティだと僕は考えている。
僕は妻に日本国籍を取得してほしいとは思わないし、
むしろマレーシア人として生きてほしいと思っている。
グローバル社会が昔から言われている昨今、
せめて国籍と滞在許可くらいの知識は、
もう少し多くの人が知っていても良いのではないかと思った。