僕はあまりポジティブな人間ではない。どちらかと言うと面倒くさがり。
アウトドアの趣味は幾つかあるが、雨の日は絶対にしない。濡れたくないから。
家でマンガを読んだりパソコンしている方が楽しい。晴れた日もたまにあるけど。
そんな僕がマレーシアへ海外移住したのには、妻によるところが大きい。
僕一人なら絶対に海外移住なんてしていない。海外旅行も行ったかどうか怪しい。
つまり、妻が僕を知らない世界へ引っ張って行ってくれるのだ。
そして、知り合いもつられて増えていく。僕の友人はあまり多くはないのだけれど、
もしかしたら日本人と外国人の友人が同じくらいの人数になったかもしれない。
だが僕は名前を覚えるのが苦手なので「ウッドランズ(シンガポール)の彼」とか
「JB(ジョホールバル)の太いあの人」とか、居住地を絡めた変な覚え方を
している。もしかしたら、外国人の名前を覚えるのが苦手なだけなのかもしれない。
だが、色々な人と知り合うことは、様々な生き方に触れることである。
シンガポール人である妻の従妹は、ドイツ人と結婚し今はドイツに住んでいる。
僕が通っていた語学学校で知り合ったサウジアラビア人の故郷は、
デイツと呼ばれるフルーツで潤っており、結構大きな街であること。
僕ははじめデイツが何だかわからなかったが、ラマダン(断食月)に入った
マレーシアの店先に並ぶようになり、イスラムに深く関わりのあるフルーツだと
初めて知った。また他のクラスメイトのエジプト人からは、PhD(博士号)を
取ってもろくな仕事がなく留学してきたことを教えてもらい、他エジプトの
国内事情を聞いた。
色々な人と知り合って、違う世界を想像させられると、だんだんその世界を見たく
なってくるから不思議だ。普段は出不精な自分が。きっと日本にずっといたら、
テレビとインターネットだけで満足してしまうだろう。語学学校では何故か中東の
国の人が多かったので、いつか行ってみたくなった。中でも行ってみたいのが
シリアだ。あとリビアのトリポリ。テレビで観たことがあり、街並みの美しさが
忘れられないのだ。両国とも危険すぎて、今はまず行けそうにないが。