↑こんな写真ばかり撮りまくって…
『…何なんだこれは…!』
初めて写真屋でそれを見たとき、
そう思ったものでした。
二の句が継げないほど、アルバムに
つい見入ってしまう、
それが俗に言う「芸術写真」です。
中華系の文化では結婚に際して「写真」を
撮ることが流行っています。
それなら日本でもあるじゃん!とお思いかも
しれませんが、新郎が神妙な顔つきで立ち、
新婦がイスに腰掛けながら微笑むような
1カット限りの記念写真ではありません。
簡単に言うと、東京ビッグサイトで年2回
開かれるアニメ・コミックファンのための
ビッグなお祭りで行われるような
「コスプレ撮影会」です。
色々な衣装を着て、色々な背景とポーズで
撮影しまくる、日本男児にとってなかなか
辛い、結婚への第一の関門なのです。
![](https://ani-malaysia.com/wp-content/uploads/2014/05/geijyutu1-500x332.png)
(写真の一例)
「真っ赤な服でフラメンコ風」
「中世の城をバックにナポレオン風」
「ハットとタキシードでチャップリン風」
「イスラム寺院を背景にちょいマレー風」
「線路に侵入し旅行鞄を手に逃避行風」
…字面だけでも恥ずかしいのに、写真は
もっと恥ずかしいのです。
もちろん服だけではなく、
ポーズと構図がまたすごいんです。
「物憂げな表情であさっての方向を
見つめる新婦」
「両手を壁につき顔を寄せ新婦に迫る
新郎(通称・壁ドン写真)」
「マレー鉄道に侵入して未来に向かって
線路を歩く二人」(上記写真)
「希望に満ちた未来という斜め上方向を
見つめる二人(通称・北朝鮮写真)」
もはや新しい世界に目覚めそうな感覚すら
あります…。
最終的には重量10kgくらいありそうな
立派なアルバムにし、1枚は40型テレビ
くらいの大きさのパネルになります。
さらに壁掛けタペストリーも作られ、
披露宴会場の入り口に晒されるという
羞恥プレイも。
…しかし、いざやってみると意外と楽しい
ことに気付きます。
まさに「非日常」という言葉がふさわしい
感じなんです。
気になるお値段ですが、丸1日撮影して、
アルバム2冊と大パネル、タペストリー、
スタンド写真2種、データCDで…
合計5~6万円くらいです。
貸衣装代、メイク代も含んでいます。
これなら意外と安いかもしれませんね。
日本でやったらもっとかかるでしょう。
最近ではマレー系、インド系で撮る人も
増えています。
私の印象では、衣装はマレー系の方が
綺麗だと思うので、
素敵なシチュエーションで綺麗に写真に
残すのはとても良いと思います。
↓マレー系の衣装例です
出典:hiveminer
しかし、中華系の人すべてがこの写真を
撮るわけではなく、恥ずかしいと思って
撮らない人ももちろんいます。
ちなみに私達の撮った芸術写真を日本人に
見せた場合、今のところ爆笑率は
なんと『100%』です…。
でも、この写真を撮って後悔は全くして
いません。
文字通り「芸術」の影響は多少なりとも
受けたと思いますが、何より良い思い出に
なりました。。
この「芸術写真」については、あの有名な
「中国嫁日記」でも書かれています。
中華系と結婚した人はみんな通っている
道なんだなあ、と思ってしまいました。