マレーシアでは首都・クアラルンプールを中心に公共交通機関が”表面上”様々に整備されています。
ですが、日本と同じ感覚で利用することは出来ないでしょう。
それには、やはり途上国と言わざるを得ない状況が根底にあるのです。
使い物になるかと言えば、最も使えるのは「LRT」(軽量軌道交通)です。
マレーシアの首都・クアラルンプールにあるLRTは「Rapid KL」と呼ばれ、現在ではクアラルンプールに4路線があり、現在進行形で整備が進んでいます。
しかし、マレーシアにおいて工事は遅れるのが普通なので、数年のうちに出来上がるとは思わないほうがいいですが…。
このLRTだけが、私の住んだ経験とから言って、唯一まともな運行をします。
大体10分に1本くらいはやって来ますし、車内もキレイです。
次は『KLモノレール』です。
たまにトラブルで運休したり、車両数が少ない時がある(2両)ので、混雑時に乗れない時がたまにあります。
路線がクアラルンプール都心部にしかないため、生活路線とは言えず、観光要素が多めです。
KTM(マレーシア国鉄)の中で、クアラルンプール近郊を走るKTMコミューターという交通がありますが、こちらは常に遅れています。
路線長は最も長く、正確にはシンガポール北端(ウッドランズ)からタイ国境までがKTMの線路です。
同じ線路を国際急行や貨物列車が走っており、それらが遅れると、玉突きで遅れの影響が出てきます。
クアラルンプール近郊に限り複線電化され、KTMコミューターという近郊列車が大体15~30分に1本走っています。
料金は安く、ある程度郊外の町から都心に通勤・通学している人も多いです。
しかし、都市計画を全く知らないのではと思うほど駅がとんでもない位置にあることが多く、全く役に立たない場合もあります。
これが私にとっては不思議で、駅から直線距離だと200~300メートルの至近距離にコンドミニアム(マンション)があるのに、道が通じてなくて非常に遠回りすることになったりすることが沢山あります。
クアラルンプールに住む人なら、日常的に使う人は少ないかもしれません。
バスはまずバス停があまりなく、正確に言うと乗降場所は存在しますが、ポール等の目標物が何もない場合が多いのです。
時刻表はもちろん存在しません。
ホームページや実際に歩いて下調べをしないと、どこ行きのバスが何分おきに走っているかがわからないのです。
私の場合はグーグルマップで調べました。
また、自宅から最寄りの乗降場所はバス停がないため、何となく人が乗り降りしているのを観察し、バスに乗れる場所を突き止めました。
乗るときは手を挙げる等のアクションを起こさないと通過されます。
降りるときは運転手に降車を告げるか、少ない降車ボタンを探して押します。
押してもチャイムが鳴らない時がよくあるので、その時は叫びます。
また、都市部においてはラッシュ時の渋滞が酷いので、遅れることは日常茶飯事です。
ですが料金は非常に安いです。
車両もスウェーデン製が多く、スタイリッシュな車両が多いです。
クアラルンプール、ペナンにおいては、かなりの路線網が存在するので、乗り継ぎや混む時間帯などを把握して使いこなせればかなり役に立つと思われます。
このように、様々な事情と交通状況がマレーシアには存在しています。
公共交通だけではないのですが、マレーシアは総じて、
「見た目は立派だが、運営・保守に問題ありまくり」
が多いと感じます。
初めは鳴り物入りで立派にオープンしますが、壊れたり問題が起きたら、そのまま使用中止となってしまいます。
以後も、直されずに放置されるのですが、このパターンを非常に多く見かけます。
対照的なのはシンガポールで、このようなことはほとんど見られません。
こういったことを許容できる器量も、日本人がマレーシアで暮らすには必要だと思います。
出来なければ、マイカー生活を徹底するか、シンガポールに暮らすしかありません。
なんだか人生の話まで来てしまいましたが…。