多くの人がマレーシアへ移住してきているが、生活のベースをまるごと
移すのではなく、長期滞在という形で日本とマレーシアの二重生活を
している人もいる。移住は失敗のリスクがあるけど、長期滞在なら
途中で考えが変わっても帰国することが十分可能。そのため、まずは
長期滞在から始める人も多い。もちろん、それには滞在ビザが必要だ。
長期滞在が何日程度のものによるかで、答えも変わってきてしまうが、
日本のパスポートでは何もしなくても3か月の観光ビザがもらえる。
もちろん就労は出来ないが、隣国へ出国→ちょっと遊んでまた入国、
による新たな3か月ビザ交付は可能だろう。4回目(累計1年越)は
イミグレーションでちょっと質問されるかもしれないが。
マレーシアでの長期滞在に最も適しているビザは「MM2H」だと
盛んに言われている。最長10年間も滞在が認められ、、50歳未満の
人は50万リンギット(約1,600万円)以上の財産証明と月1万
リンギット(約32万円)以上の収入証明が必要となる。50歳以上の
人なら35万リンギット(約1,120万円)以上の財産証明と月1万
リンギット(約32万円)以上の収入証明または年金証明が必要となる。
だが、その必要な金額も決して安くない。日本でそこまで古くない家を
持っていれば財産証明のハードルはクリアできるだろう。だが僕のように
家もマンションも預貯金もない者にとっては、無理な話だ。
だが、そんな人でも長期滞在が可能な方法がある。学生ビザだ。
学生と言っても、何も大学へ留学する必要はない。民間の語学学校に
通うだけでいいのだ。実際、多くの若者が世界中から学生ビザで
マレーシアの語学学校に通っている。学校の職員がビザの申請をして
くれるので手間も省ける。もちろん受講料はかかってしまうが、
日本と比較すると、驚くほど安い。日本にも英会話学校の広告が山ほど
溢れているが、無料体験等で誘ってはいるものの、正規の受講料は
どこも高い。マレーシアだとグッと安く受講できるので、日本からも
語学留学のためにマレーシアへ来る人もいる。
学校によっては、生徒のためのアパートメントを用意しているところも
ある。一人でマレーシアに来る人には嬉しい。しかも世界中の友人が
出来る、貴重な機会が与えられる。外国へ行った場合、言葉が堪能で
ないと話しかけるのにも勇気が要る。ましてや長期滞在など仕事以外の
場合、ローカルの人や他の外国人と深くつながる機会がなかなかない。
だが、語学学校ならば皆勉強中の身、皆頑張って話そうとする。同じ
レベルの人同士で親近感も湧くのではないか。
これの最大の利点は「やる事がある」こと。長期滞在は引越当初は
バタバタと忙しいかもしれないが、いざのんびりし始めると退屈な
ことも多い。特に日本でバリバリ働いていた人ほど、のんびり生活は
数か月で飽きてしまうと思う。定年後の「燃え尽き症候群」と似ている
かもしれない。やる事がないということは辛いものだ。
これが学校に通うことになると、自分の英会話力が日々向上していく
ことで毎日の生活が楽しくなること請け合いだろう。生活リズムも
整えられる。授業時間は学校によるが、丸一日拘束されることはまずない。
空いた時間でショッピング、観光、食べ歩きも楽しめる。メリハリのある
生活が送れるはずなので、お試しの長期滞在としてオススメなのだ。
語学学校には年配の日本人も時折見かける。年をとっているから
恥ずかしいという日本の常識は、マレーシアでは捨てて構わない。
ただ、あまりに安い学校だと内容が酷かったり、ビザの手続きがきちんと
されなかったりする恐れもあるので、下調べは必要。こちらについては、
また後日詳しく記していくつもり。