これは以前、マレーシアで大ヒットした映画だ。
あらすじは以下の通り。
ある旧正月の日。
イギリスに留学していた中華系マレーシア人の娘が、
一人ぼっちの年老いた父の下へ帰ってきた。
イギリス人の恋人を連れて。
そんな娘を見て、父は激高した。
だが娘は子どもを身ごもっており、
恋人の男も初めて知った現実を前に結婚を決意する。
父はただただ淡々と結婚式の準備を進めている。
昔ながらの中華式婚礼の方式に則り、
招待状を昔からの友人に「手渡し」で渡していく。
新郎の運転するバイクの後席に乗って。
そこで様々な人間と出会い、アクシデントを重ね、
男も義父という人間を理解していく。
また義父も男を少し理解する。
残された娘は、一人で過ごしながら
昔の記憶を辿っていくうちに、
表には出さない、父の深い愛情を知ることとなる。
招待状を渡す「旅」をしながら、人生という長い旅が
少しづつ時間をかけて解きほぐされていく様子が、
この映画を見るうちに伝わってくる。
この映画を見ながら理解できることがもう一つある。
それは中華系を主としたマレーシアの文化だ。
旧正月の華やかな祭りの数々、街の様子、
人々の賑わい、考え方・・・。
もちろん日本語訳はないが、英語や中国語の字幕でも
大体の意味は理解できる。本編のセリフは中国語と英語が
混ざったもので進行する。
実はこの映画を、ようやっとDVDで鑑賞して、感動した。
ラストシーンでは感極まって泣いてしまった。
それは、映画の中と同じく、
中華系マレーシア人女性と結婚した外国人として、
イギリス人の男と自分を重ね合わせて
観てしまっていたのかもしれない。