外務省統計によると、2012年時点で海外に暮らす日本人は約120万人。
3か月以上の長期滞在者と永住者の合計だ。一番多くの日本人が暮らす
国はアメリカで41万人。2位が中国の15万人。一方、マレーシアは
12位で2万人。お隣の国土の小さいシンガポールが11位の2万7千人と
いうのを見ると、シンガポールはやはり経済面で重要な都市ということが伺える。
興味深いのは対前年の増加率。各国とも数パーセントの上昇が殆どだが、
何故かマレーシアだけプラス96パーセント。つまり約2倍に増えたということ。
そんな国他にはない。明らかに長期滞在や移住ブームのためだと思われる。
しかし、東南アジアの国々の増加率は著しい。タイも、インドネシアも、
ベトナムも、10~20パーセントも増えている。それだけ現地に工場や法人が
増えているのだろう。やはり経済と密接に関わっていると感じる。
マレーシアで日本人が多く住んでいるのは、首都クアラルンプール、それに次ぐ
規模を持つマレー半島南端の都市ジョホールバル、北部のペナン島。中でも
ペナン島はリゾート色が濃い。中華系が多く住んでいるので商業の盛んな都市でも
あるのだけれど、海沿いに立つコンドミニアムからの眺望に魅せられて移住した
日本人も多いと聞く。僕の義妹もペナン島の海沿いに住んでいるので、その部屋から
海を眺めていると、その理由にも頷ける。ちなみに海はあまりキレイではない。
昔から在外邦人は駐在員として赴任する例が殆どだった。だけど今は自ら海外に
住む日本人が増えている。様々な理由があるだろうけど、明らかに昔に比べて
日本人の考え方、視点が多様化しているのだろう。それがもっともっと当たり前に
なる時代が20年後、30年後にあるのかも、と思うと、暗雲に覆われた日本の
未来も、一筋の光が差し込んでくるように思えた。