日本を脱出するという選択肢

 

今、日本は未曽有の危機にさらされている。「絶望」という絶体絶命の危機に。
そんな日本から脱出している日本人が増えているらしい。理由は様々だが、
これまでにない波が起こっている。

 

まず「絶望」を読んで字のごとく、希望が絶たれるとはどういうことか。
出口になかなか辿り着かないような経済不安、周辺国の隆盛に伴う優位性の消滅、
原発事故によって露呈された安全神話崩壊、近づいてくる超高齢化社会と改善
されない少子化問題。もはや明るい未来を想像する方が難しい。

 

かつて日本は、高度経済成長という時代の真っただ中にいた。働けば働くほど
会社は成長し、給料は上がり、国土にインフラは整っていく。戦争という
異常な抑圧の下から解放されたせいでもあるが、ポジティブなマインドに
国中が充ちていたのではないだろうか。

 

だが今の世の中、より良い会社に就職することを大学でまで教えられた若者は、
会社に就職すること以外の道を知らない。例えそれが輝かしくない未来でも。
僕もそうだった。だが、社会に出て様々な経験、情報、見識を吸収していく中で、
少しずつ妙なおかしさを覚えていった。毎日がむしゃらに仕事をしていれば、
あっという間に2年3年と経つ。仕事に関係すること以外、ろくに経験値が
得られていなかった。恐ろしいことだ。しかし国際結婚をし、東日本大震災が
発生し、子どもが生まれて、やっと自分の生き方に疑問が浮かんできた。
このままでいいんだろうか、と。

 

冒頭の「日本脱出」。放射能汚染から逃れるために、先の見えない日本に身を
預けるリスクを回避するために、押し寄せる国際化に先んずるために、多くの
人々が各々違った理由で海外へ出ていく。僕もそういった理由でマレーシアに
移住した。だけど、脱出かと言うとちょっと違う。脱出というと二度と戻って
こない意味にとれる。だが僕は日本に戻らないわけではない。日本が好きだから。

 

人生は一度きりである。定年してからのんびりと移住しようなんて長期計画を
立てて待っている時間がもったいない。物事にはグッドタイミングがあり、
僕も「ここだ!」と思ったからこそ決断した。ただ、脱出ではなく、移住だ。
知らない世界で暮らしてみたいと思ったから。たが、一生そこに住むかというと、
そんなことはないと初めから思っている。風土も気候もまるで違う国に簡単に
一生住めるほど、頑強なメンタルと肉体を僕が持っているとは思っていなかった
からだ。僕は自分を過大評価しない主義なので。

 

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